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屏風の下張り、骨縛り押さえ [屏風]

今日は、屏風の下張りの第二段階、骨縛り押さえからレポートします。

前回、二枚をあわせたまま骨縛りした屏風骨を、二つに分けます。
22.3.29 102.jpg
貼ってないほう側の骨縛りをして、乾かします。

次の作業は、骨縛り押さえ。
あ、その前に、釘シメの作業がありました。
22.3.30 004.jpg
屏風の骨の組子を止めている竹釘を、ポンチで少し叩き込みます。
こうすることにより、最終段階でカンナをかけるとき、カンナの刃が、こぼれるのを防ぎます。
また、全体を引き締めることにより、上張りをしたときにしわが来ないようにする意味もあります。

さて、骨縛り押さえです。
22.4.1 017.jpg
少し厚めの楮紙を使い、全体に糊をつけて、膏薬張り(シップを貼るような張り方)にします。

22.4.1 021.jpg

これで、骨の形を整えていた紙の補強をします。
ここまでの作業を、一枚の厚い漉き合わせ紙(ドーバリ)を使って、略式にする人もいます。

次なる作業は、下張りのメインイベントである、ミノ張り(よろい張りともいいます)です。
そのミノ張りに使う紙の下準備をします。

22.4.1 003.jpg
このように、下張りに使う紙を適当な大きさに切って、無駄が出ないようにつなぎ合わせておきます。

22.4.1 005.jpg
こんな風に巻紙のように長くつないでおくのです。
これの使い方は次回に・・・

今日は下張りの第二段階の様子でした。

                                梅田 剛嗣
                                ℡ 086-231-3371

タグ:屏風
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雉虎堂

最後の写真に写っている和紙と似たものを持っています
お菓子の包装紙などと一緒に家にあったので
てっきり煎餅の包み紙だと思っていたのですが(^^ゞ
印鑑のカタログ(?)みたいな柄ですね
そういうデザインの和紙なんでしょうか
あと、よく襖の下張りから古文書が見つかるなんて話を
聴きますが、この作業にも反古紙を使ったりするんですか?
質問ばかりですみません
by 雉虎堂 (2010-04-02 19:52) 

chako

大変な作業工程で驚いています。専門用語も多いですね〜!
最後の和紙は雉虎堂さんが言われているように、印鑑のカタログみたいに見えますね。
今、月に一度だけ、篆刻の教室に行っているので、篆刻のような文字に見えて来ましたが…?
by chako (2010-04-02 22:25) 

TSUYO

雉虎堂さま、ナイスとコメントありがとうございます。

そのとおりです。昔のはんこを集めたもので、そういうデザインの和紙です。
昔は、古文書などを襖の下張りに使ってました。
その古文書の変わりに、印刷した、写真のような紙を最近は使うことがあります。
紙は今出来のもので、原料はマニラ麻と未晒のパルプ。商品名は、本具代用といいます。古文書のことを本具(=反古・ほご)というので、その代用品の意味です。
本来、この作業には反古紙も使いますが、今、本当の反古紙を手に入れようと思うと、かえって高くつくので、代用品を使います。
古い額とか剥がすと、下張りから手紙が出てきたり、大福帳が出てきたりと、面白いですよ~ww

この本具代用は、60cmx90cmで、一枚158円とお安いので、包み紙に使われることも多いです。
質問いつでも何でもどうぞ。大歓迎です。わかる範囲でお答えできますよ~wwえ?体重とかは・・・ちょっとね・・・秘密ww
by TSUYO (2010-04-03 06:17) 

TSUYO

chakoさま、ナイスとコメントありがとうございます。

そうそう、まさに篆刻ですよ~ww
手間がかかる工程です。これも定期的にやっておかないと忘れちゃうw
江戸より前の時代から伝わる技術なので、絶やしたらいけないなぁという思いです。
専門用語も多いというか、専門用語だらけですねww

篆刻もやってらっしゃるんですね。あれも面白そうだなぁ・・・ww
by TSUYO (2010-04-03 06:22) 

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